硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法

分析方法

 コンクリートの全塩分量を分析する方法には、ボイル法(清水建設(株))、JCI-SC5、JCI-SC4、JIS-A1154などがある。それぞれの分析方法の手順および特徴を表− 1 にまとめた。

表−1
 
ボイル法
JCI-SC5
JCI-SC4
JIS-A1154

分析値のバラツキ

大きい
少ない
少ない
少ない
分析精度
分析時間・手順
少ない
普通
やや多い
やや多い
費用
安い
普通
やや高い
高い
環境
廃液なし
検知管は、金属産業廃棄が必要
廃液有
廃液有
廃液有
 
 
分析結果の比較

 同じ試料を用いて、ボイル法(清水建設(株))、JCI-SC5、JCI-SC4による比較を行った。分析を行ったコンクリート粉末は、コア採取後150μm以下に粉砕した試料をしようした。表−2に、分析方法の比較結果を示す。
この結果から、それぞれの分析方法による値の差はほとんどないと言える。

表−2

 
塩化物(Cl-)イオン量
(kg/m3)
 
ボイ法
JCI-SC5
JCI-SC4
0.22
0.24
0.20